2014年04月29日

『天国から来たチャンピオン』に観るアメリカの社会問題

1978年に公開された『天国から来たチャンピオン』は、ウォーレン・ビーティが主演・監督・指揮を務めた作品です。

1970年代のアメリカは様々な社会問題を抱えていました。1つはエネルギー問題です。石油に代わるエネルギーを求める声に後押しされて、アメリカはこの頃、原子力発電所をどんどん建設していきました。今、世界中で危険性を問われている原子力発電所は、エネルギー不足解消のために生まれたのです。エネルギー不足とはいえ、当時も安全性が疑われていたようで、原子力施設の建設に反対する地元の女性がこの映画の重要な役どころとして登場しています。

そして、70年代のアメリカを象徴するもう1つ大きな社会問題が、人種差別です。1964年に公民権法が制定され、法律上の人種差別はなくなったのですが、現実は全くそうではなく、依然として有色人種に対する差別が存在していたため、70年代に入ると、白人と黒人の対立は激しさを増しました。映画の中にも、そんな対立がうかがい知れるシーンがあります。

この映画は恋愛映画なのですが、当時のアメリカが抱えていた深刻な社会問題を浮き彫りにもしているので、一見の価値ありです。
posted by seig-eca at 03:40| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月13日

『華麗なるギャツビー』に観る1920年代アメリカ

この映画はF・スコット・フィッツジェラルドが書いた小説The Great Gatsbyを基にフランシス・F・コッポラが映画化し1974年に公開され、2013年に再びバズ・ラーマンによってレオナルド・ディカプリオ主演で再映画化されました。原作はアメリカの高校もしくは大学で必ず読まされる、アメリカ文学の代表作として知られるものです。

映画の舞台は第1次世界大戦後のアメリカ東部(ニューヨーク)です。言い換えれば大戦で痛手を受けたヨーロッパの大国に替わり、大戦で利益を上げたアメリカが実質的に世界のNO.1へと、のし上がろうとしている時代。ですが、まだNO.1ではないため、イギリスで洗練されたギャツビーに対してライバルのトムが劣等感をあらわにするシーンなどは、とても興味深いものです。

そしてフォード社が大量生産に成功し車が一般大衆にも手の届く物になった時代でもありました。超高級車を運転してホテルに向かうギャツビーとトムの車以外、周りは全部同じ黒のフォード車が走っているシーンもこの時代のアメリカを象徴しています。

さらにこの時代の法律と言えば禁酒法です。表立って飲酒できないため、ホテルでは氷だけを頼み、自宅から隠して持ち込んだワインを飲むシーンもこの時代をよく表していると思います。

この映画では上流階級の生活だけでなく、下層階級の人々や社会的・経済的にまだ自立できない女性の姿も描かれています。国が豊かになっていく中で、まったく貧困から抜け出せない労働者、男性に頼るしか術のない女性たちなど、社会的弱者の悲しみや絶望を観ることができ、いろいろ考えさせられる映画です。
posted by seig-eca at 18:02| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年11月19日

BACK TO THE FUTURE Part III

今回は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作のラストである『バック・トゥ・ザ・フューチャー Part III』です。Part II公開の翌年1990年に公開されました。この作品もPart IIと同様、必ず前作を観てから観てください。

主要な登場人物はPart I, Part IIと同じです。今回の見所はタイムスリップした1885年のアメリカです。1885年といえば、日本では明治初期で、伊藤博文が初代内閣総理大臣に就任した年でした。

映画の中では1880年代頃のアメリカの歴史が色濃く描かれています。白人入植者に領土を奪われたアメリカ先住民たち、大陸横断鉄道、無法者が横行する無秩序な社会など、西部開拓時代のアメリカが描かれているのです。面白いのはこのシリーズ3部作を通して、時代は変わっても、登場人物たちが基本的に似通った性格や共通した職業に描かれているところです。

この映画を観ると、現代アメリカが抱える銃問題の発端を見る気がします。当時のアメリカ西部開拓地では、保安官の目の届かないところで無法者が悪事の限りを尽くし、自分の命は自分で守るしかないという状況でした。それを考えると、人々が銃に依存したくなるのも理解できる気がするのです。西部開拓時代に興味がある人は、この映画を通して当時の生活や時代の雰囲気を少し垣間見ることができると思います。
posted by seig-eca at 13:41| 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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